2023-03-28
不動産を売却する際に「あとから不具合が見つかったらどうしよう」と不安に思う方も多いかと思います。
売却後に買主とトラブルになるのを防ぐには、契約不適合責任についてしっかり理解しておくことが大切です。
今回は、不動産売却における契約不適合責任について、買主の権利やトラブルを未然に防ぐ方法も含めて解説します。
千葉県野田市や流山市、柏市で不動産売却をお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
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はじめに、契約不適合責任とはなにかを解説します。
契約不適合責任とは、引き渡された売買の目的物が契約内容に適合しない場合に、売主が負う責任のことです。
不動産売買においては、あとから見つかった欠陥が契約書に記載されているかどうかがポイントとなります。
たとえば天井のひび割れによって、物件に雨漏りが生じているとしましょう。
買主が雨漏りについて了承しており、売買契約書にも記載している場合は、契約不適合責任を問われません。
その一方で、売買契約書に雨漏りについて記載していなかった場合は、引き渡し後であっても売主が修繕費用を負担することになります。
契約不適合責任は2020年4月の民法改正にともない施行されたもので、これまでは瑕疵担保責任と呼ばれていました。
以前の瑕疵担保責任では、売却後に瑕疵が発見されたときに、売主が責任を負うとしていました。
瑕疵とは、設備の故障や造成不良など、取引の目的である土地や建物に何らかの欠陥がある状態をいいます。
瑕疵を見つけた買主は発見後1年間、売主に対して損害賠償や契約解除を請求することができました。
契約不適合責任では、損害賠償や契約解除だけでなく、追完請求や代金減額請求なども請求できるようになっています。
つまり、契約不適合が発生した場合に、請求できる買主の権利が増えたということです。
買主の権利については、後ほど具体的な内容をご紹介します。
また、瑕疵担保責任では、発見された瑕疵が隠れていたかどうかがポイントとなっていました。
隠れた瑕疵とは、買主が注意を払って確認したにも関わらず、発見できなかったキズや不具合を指します。
現法の契約不適合責任においては隠れた瑕疵に関係なく、契約書に記載がなければ売主が責任を負うとしています。
買主が売主に対して、契約不適合責任を請求できる期間には制限があります。
責任期間は、原則として不適合を知ったときから1年ですが、特約によって長くまたは短く設定することもできます。
なお、新築住宅については「品確法」における特則が存在するため注意が必要です。
新築住宅の場合、構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分については、引き渡しから10年の責任期間が適用されます。
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先述したように、契約不適合責任では買主が売主に請求できる権利が増えています。
ここからは、契約不適合責任における買主の請求権を解説します。
履行の追完請求とは、引き渡された不動産が契約に適合するよう修繕を求めることです。
たとえば天井のヒビによって雨漏りが生じているにも関わらず、契約書にはなにも記載されていなかったとしましょう。
この場合に、買主が売主に対して「ひび割れを修理して」と請求するのが追完請求です。
追完請求を受けたら、売主は雨漏りの原因となっている天井のヒビを直す必要があります。
ただし、買主の責任によってヒビ割れが生じている場合は、履行の追完請求は認められません。
代金減額請求とは、文字どおり不動産価格を減額するよう請求することです。
基本的には、売主が期間内に履行の追完をおこなわない場合に、買主は代金減額請求ができるとされています。
ただし、土地面積が足りないなど履行の追完が不能な場合は、はじめから代金減額を請求することも可能です。
物件を引き渡したあとの代金減額請求となるため、売買代金の一部を買主へ返金することになるでしょう。
催告解除とは、売主が追完請求に応じない場合に、買主が催告して契約を解除することです。
売主が追完請求に応じなければ、買主は代金減額請求ができますが、不動産の場合は代金の減額では納得できないこともあります。
代金が減額されても住むために多額の費用がかかるなど、物件に致命的な欠陥があるケースが多いためです。
このような場合に、購入をやめると売主に伝えたうえで、契約を解除することを催告解除といいます。
無催告解除とは、売主に催告をすることなく契約を解除することです。
相手方の履行が期待できない、または履行が不可能だと考えられる場合に、買主は無催告解除ができます。
以前の瑕疵担保責任においても、契約の全部の履行が不能であるときには契約解除が認められていました。
無催告解除は、瑕疵担保責任のときの契約解除を引き継いだものといえるでしょう。
売主が契約に適合した不動産を引き渡さなかったがために、買主に損害が発生することがあります。
このような場合、買主は売主に対して補修などの追完請求をおこなったうえで、損害賠償を請求できます。
損害賠償請求は瑕疵担保責任でも認められていましたが、契約不適合責任とは内容が異なるため注意が必要です。
以前の瑕疵担保責任では、売主に故意や過失がなくても損害賠償の責任があるとされていました。
契約不適合責任では、売主の故意や過失によって生じた損害でない限り、損害賠償請求は認められないとしています。
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不動産を売る際、売主は買主に対して、建物の欠陥や不具合をすべて伝えなければなりません。
これを「告知義務」といい、告知義務を果たさずに不動産を売却すると、契約不適合責任を問われることになります。
契約不適合責任の追及を回避するには、物件の不具合はすべて契約書に記載することが大切です。
とはいえ相続した不動産などでは、物件について把握できていないケースも多いでしょう。
そこでおすすめなのが「インスペクション」です。
ここからは、インスペクションの概要と必要費用について解説します。
インスペクションとは、専門家が住宅の状況をチェックすることです。
建物の劣化具合や欠陥の有無だけでなく、改修が必要な場所や時期なども把握できます。
日本ではまだあまり浸透していませんが、欧米では一般的におこなわれている行為です。
インスペクションを受けると、建物の状態を売買契約書に記載できるので、売却後のトラブル防止に繋がります。
また、専門家が調査した物件として買主も安心感を得られるため、早期売却が見込めるでしょう。
インスペクションにかかる費用は、診断内容や建物の構造によって異なります。
一戸建ての場合、目視で対応できる調査であれば、費用相場は5~7万円ほどです。
屋根裏や床下への侵入調査や基礎の鉄筋調査なども実施する場合は、6~12万円ほどかかることもあります。
一方、マンションは4~6万円ほどが相場となっており、一戸建てに比べると安くなる傾向にあります。
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契約内容に適合しない物件を売却した場合、売主は契約不適合責任を負うことになります。
トラブルを避けるためには、物件の不具合や欠陥を漏れなく契約書に記載することが大切です。
安心して取引をおこなうためにも、売却前にインスペクションの実施を検討してはいかがでしょうか。
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