子なし夫婦の不動産相続について!起こり得るトラブルも解説

2026-09-01

子なし夫婦の不動産相続について!起こり得るトラブルも解説

この記事のハイライト
●子なし夫婦の相続では配偶者がすべてを受け継ぐわけではなく親や兄弟姉妹も法定相続人となる
●不動産を引き継ぐ際には共有登記や分割方法をめぐる対立および遺言書の不備によるトラブルが起こりがち
●未然に防ぐための対策として生前贈与や生命保険の活用および事前の現金化などを検討することが大切

子どものいないご夫婦で不動産を所有しており、自分に万が一のことがあった際、誰がどのように相続するのか不安に感じていませんか。
「残された配偶者がすべて相続できる」と誤解されがちですが、事前に対策をおこなわずに放置すると、配偶者と義理の兄弟姉妹との間で不動産を巡る深刻なトラブルに発展する恐れがあります。
本記事では、子なし夫婦の不動産相続において誰が法定相続人になるのかという基本から、実際に起こりやすい揉め事と未然に防ぐための有効な対策について解説いたします。
大切なパートナーが将来も住み慣れた家で安心して暮らせるよう、今のうちから準備をしておきたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

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子なし夫婦の相続人は誰?法定相続分を整理

子なし夫婦の相続人は誰?法定相続分を整理

子なし夫婦の不動産相続に関わる人物には主に配偶者と血族があり、まずは誰が権利を持つのかをおさえることが重要です。
そこで、法定相続人の範囲と割合について、分かりやすく解説していきます。

法定相続人の順位と範囲

民法では、亡くなった方の財産を受け継ぐ法定相続人について、順位と範囲が定められています。配偶者は常に相続人となりますが、子どもがいないからといって、必ずしも単独で相続できるわけではありません。
第1順位は子ども、第2順位は父母や祖父母、第3順位は兄弟姉妹です。
そのため、子なし夫婦では父母などがいればその方が、いなければ兄弟姉妹が相続人になります。

配偶者と血族の相続割合

法定相続分は、相続人の組み合わせによって割合が異なります。
配偶者と父母が相続人の場合は配偶者が3分の2、父母が3分の1となり、配偶者と兄弟姉妹の場合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。
たとえば遺産が6,000万円で配偶者と父母が相続するなら、配偶者は4,000万円、父母は合計2,000万円が目安となります。
一方で、兄弟姉妹3人が相続人なら、配偶者は4,500万円、兄弟姉妹は各500万円です。
なお、異父・異母の兄弟姉妹がいる場合は割合が異なるため、家族関係もあわせて確認しましょう。

配偶者がすべて相続は誤解

子なし夫婦では、残された配偶者が財産をすべて受け継げると思われがちですが、法定相続人がほかにいれば事情は異なります。
遺産分割協議は相続人全員でおこなう必要があり、預貯金の解約や不動産の名義変更には合意が欠かせません。
とくに不動産は現金のように簡単に分けられないため、誰が取得するのかを決めるまで時間がかかることがありますが、兄弟姉妹には遺留分がありません。
そのため、兄弟姉妹が相続人になるケースでは、適切な遺言書を用意しておくことで、配偶者へ財産を引き継ぎやすくなります。

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子なし夫婦の不動産相続で起こるトラブル

子なし夫婦の不動産相続で起こるトラブル

前章では法定相続人について述べましたが、実際に誰が不動産を引き継ぐかでは、非常に意見が分かれやすい傾向にあります。
そこで、子なし夫婦の不動産相続で起こりがちなトラブルについて、詳しく解説します。

共有登記による利用対立

共有登記は、1つの不動産を複数人で所有し、それぞれが持分に応じた権利を持つ状態です。
遺産分割がまとまらず、配偶者と義理の親族が共有することになると、利用や処分で意見が分かれる場合があります。
修繕などの保存行為は1人でもできますが、共有物の管理に関する事項は、原則として持分の過半数で決定します。
さらに、売却や取り壊しには共有者全員の同意が求められるのです。
そのため、自宅を売って生活資金に充てたい場合でも反対者がいると進めにくく、持分が次の相続人へ移れば関係者が増える点にも注意が必要です。

不動産の分割方法で対立

不動産の主な分け方には、現物分割・代償分割・換価分割の3つがあります。
現物分割は土地を物理的に分ける方法ですが、形状や接道状況によって価値に差が出やすく、建物は分けること自体が難しい場合があります。
一方で、代償分割は1人が不動産を取得し、ほかの相続人へ代償金を支払う方法です。
この場合、固定資産税評価額や路線価など、どの評価を基準にするかで意見が分かれることがあります。
また、換価分割は不動産を売って代金を分ける方法のため、売却時期や価格について相続人全員で認識をそろえておくことが大切です。

遺言書の不備による紛争

遺言書は、誰にどの財産を引き継いでもらうかを示す書類です。
しかし、形式や日付、作成時の判断能力などに問題があると、相続発生後に有効性をめぐって争いになる可能性があります。
とくに自筆証書遺言は、法律で定められた形式に沿って作成しなければなりません。
そのため、内容だけでなく、書き方や保管方法まで確認して準備することが大切です。
また、公証人が関与する公正証書遺言を利用すれば、形式上の不備を防ぎやすくなり、配偶者や親族が相続手続きを進める際の負担軽減にもつながります。

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不動産相続トラブルを防ぐ!子なし夫婦の対策

不動産相続トラブルを防ぐ!子なし夫婦の対策

ここまで起こりがちな問題点を解説しましたが、未然に防ぐための事前準備も、しっかりとおさえておきましょう。
最後に、不動産相続のトラブルを防ぐための具体的な対策について、詳しく解説していきます。

生前贈与を活用した整理

生前贈与は、生きている間に財産を移す方法で、相続財産をあらかじめ整理するのに役立ちます。
たとえば自宅の持分を配偶者へ移しておけば、将来の遺産分割協議の対象を減らせる可能性があるでしょう。
また、婚姻期間が20年以上の夫婦は、居住用不動産やその取得資金の贈与で配偶者控除の特例を利用できる場合があります。
基礎控除110万円にくわえて最大2,000万円まで控除できるため、税負担を抑えながら権利関係を整えやすくなります。
ただし、登録免許税や不動産取得税なども生じるため、贈与前に費用を確認しておくことが大切です。

生命保険で相続分を調整

生命保険の受取人を配偶者にしておくと、相続時に必要な現金を準備しやすくなります。
死亡保険金は原則として受取人固有の財産と扱われるため、遺産分割協議を待たずに受け取れる点が特徴です。
そのため、配偶者が自宅を取得してほかの相続人へ代償金を支払う場合にも活用しやすいでしょう。
また、相続人が受け取る死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。
生活費や納税資金の確保にもつながるため、必要な保障額や受取人の設定を早めに確認し、資金計画に合っているか見直しておくことが大切です。

不動産を現金化して分割

不動産を事前に現金化しておけば、相続時に分けやすくなり、評価額をめぐる意見の違いも抑えやすくなります。
通常の売却後に住み替える方法なら、賃貸住宅や高齢者向け住宅など、将来の暮らしに合った住まいを選ぶことも可能です。
一方で、住み慣れた家を離れたくない場合は、売却後に賃貸として住み続けるリースバックも選択肢になります。
ただし、家賃や契約期間などの条件は事前に確認しておく必要があります。そのため、家計や希望する生活を整理したうえで、不動産会社や税理士、司法書士などに相談しながら、自分たちに合う方法を検討しましょう。

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まとめ

子なし夫婦の不動産相続は配偶者だけでなく第2順位の父母や第3順位の兄弟姉妹にも権利が及ぶため、生前に遺言書を作成することが大切です。
1つの不動産を複数人で共有登記することによる利用制限や分割方法をめぐる対立、不備のある遺言書などが相続におけるトラブルの主な原因となります。
生前贈与の活用や生命保険による現金の準備、リースバックなどを用いた不動産の事前の現金化といった対策を講じることで紛争を防げるでしょう。
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