成年後見制度とは?成年後見人が不動産を売却する際の方法について解説

2023-08-01

成年後見制度とは?成年後見人が不動産を売却する際の方法について解説

この記事のハイライト
●成年後見制度とは、判断能力が低下した方の財産と生活を保護する制度
●法定後見制度では成年後見開始の審判と成年後見人の選任は家庭裁判所がおこなう
●成年後見人による居住用不動産の売却には、家庭裁判所の許可が必要

認知症などを患って判断能力が低下した方は、不動産売却などの契約行為をおこなうことはできません。
しかし、「成年後見制度」を利用すれば、後見人が代わりに不動産を売却できます。
そこで今回は、成年後見制度とはなにか、成年後見申立ての手続きと必要書類、成年後見人が不動産を売却する方法について解説します。
千葉県野田市や流山市、柏市で不動産の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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成年後見人が不動産を売却する「成年後見制度」とは

成年後見人が不動産を売却する「成年後見制度」とは

冒頭でもお伝えしましたが、不動産の所有者が認知症などを患って判断能力が低下した場合、不動産を売却することはできません。
しかし、所有者の入院費用や介護施設への入所費用を捻出するために、不動産を売却して資金を得たいというケースは少なくありません。
そこで、判断能力が低下した方の代わりに不動産を売却する方法として、「成年後見制度」というものがあります。
まずは、成年後見制度とはなにか、その概要や種類について解説します。

成年後見制度とは

成年後見制度とは、認知症などが原因で自己判断能力が低下した方を法的に支援することを目的に、国が設けた制度です。
判断能力が低下した方は、財産の管理や病院・介護施設への入所手続きなどを一人でおこなうことが困難な場合があります。
また、よくわからないまま契約を結んで詐欺被害にあう恐れもあります。
そのような方の生活をサポートし、詐欺などから守る制度が「成年後見制度」です。
成年後見制度には、「任意後見制度」と「法定後見制度」の2種類があります。
それぞれの制度の特徴について解説します。
任意後見制度とは
任意後見制度とは、認知症などに備えて一人で決められるうちに本人の意思で任意後見人を選び、判断能力が低下した際に代わりにしてもらいたいことを決めておく制度です。
任意後見制度は、本人と受任者のあいだで「任意後見契約」を結ぶことで成立します。
任意後見契約は、公証役場で作成する「公正証書」によって結ぶ必要があります。
未成年者や破産者などを除けば、基本的に任意後見人の資格に制限はありません。
ただし任意後見契約は、本人の判断能力が十分にあるうちに結ばなければならないことが注意点です。
法定後見制度とは
法定後見制度とは、すでに判断能力が低下している場合に、家庭裁判所によって成年後見人などが選ばれる制度です。
法定後見制度には、判断能力の状態に応じて、以下の3つの種類が設けられています。

  • 補助
  • 保佐
  • 後見

「補助」は日常生活に支障はないものの、判断能力が不十分であると判断された場合に適用される制度です。
補助人には、民法の規定の範囲で家庭裁判所が定める同意権・取消権と、申立ての範囲で家庭裁判所が定める代理権が認められます。
「保佐」は、日常的な買い物などはできても、判断能力が著しく不十分であると判断された場合に適用される制度です。
保佐人には、借金や相続の承認など重要な法律行為のほか、申立てにより裁判所が定める行為の同意権と取消権と、申立ての範囲で家庭裁判所が定める代理権が認められます。
「後見」は、判断能力がほとんどない状態であると判断された場合に適用される制度です。
成年後見人には、日常生活に関する行為以外に対する同意権・取消権と、財産に関するすべての法律行為に対する代理権が認められます。
このように、本人の判断能力に応じて成年後見人などに与える権限に差をつけることで、より制度を利用しやすくしているのです。

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成年後見人が不動産を売却するための手続きと必要書類

成年後見人が不動産を売却するための手続きと必要書類

成年後見制度を利用して不動産を売却する場合、まず家庭裁判所で手続きをしなければなりません。
そこで次に、成年後見人が不動産を売却するために必要な手続きの内容と、必要書類について解説します。

「成年後見開始審判」の申立て

まず「誰を後見人にするのか」について親族で話し合い、候補者を決めます。
候補者が決まったら、本人の住所を管轄する家庭裁判所に、必要書類を揃えて申立てをおこないます。
申立てをおこなえる方は法律で定められており、本人、配偶者、4親等内の親族、市区町村長などが手続き可能です。
申立て後、裁判所による審理が始まります。
審理とは、書類の審査や申立人・後見人候補者との面談、本人との面談など、申立てが適切であるかどうかを総合的に調査することです。
審理の結果問題がなければ、家庭裁判所が成年後見開始の審判とともに、成年後見人の選任もおこないます。
なお、申立てで申請した候補者が、かならずしも成年後見人になるとは限りません。
裁判所が審理した結果、成年後見人には適さないと判断した場合は、別の方を選任する可能性もあります。

申立て時に必要な書類

申立て時には、以下のような書類が必要です。

  • 申立書
  • 申立事情説明書
  • 本人と後見人候補者の住民票と戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 本人の診断書
  • 親族関係図
  • 財産に関する資料

そのほかにも、すでに後見登記がされていないことの証明書や、本人の収支予定表なども準備する必要があります。
本人の状況によって必要書類は異なるため、事前に確認することが大切です。

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成年後見人が不動産を売却する方法

成年後見人が不動産を売却する方法

実際に成年後見人になった場合、どのように不動産を売却するのかについても、事前に知っておくと安心ですよね。
そこで最後に、成年後見人が不動産を売却する方法について解説します。
成年後見人が不動産を売却する際、その不動産が「居住用」か「非居住用」かによって方法が異なります。
居住用不動産とは、本人が住んでいる不動産や、退院後・退所後に居住する可能性がある不動産などのことです。

居住用不動産の場合

居住用不動産の売却は、本人の生活環境や精神状態に大きな影響を与える可能性があります。
したがって、成年後見人が居住用不動産を売却する際には、家庭裁判所に申立て、売却の許可を得なければなりません。
これを、「居住用不動産処分許可の申立て」といいます。
申立て時には、申立て書や不動産の評価証明書、不動産の査定書などが必要です。
このときには、不動産売買契約書の案も提出するため、申立てをおこなう前に不動産会社に査定を依頼して媒介契約を結び、売却を進めておくことになります。
しかし、売却を進めていても、家庭裁判所の許可が下りるとは限りません。
そのような場合に備えて、売買契約書の案を作成して契約締結前に申立てをおこなう方法か、許可が下りなかった場合は契約を無効とする「停止条件」をつけた契約を締結して申立てをおこなう方法をとることになります。
申立て後、提出書類をもとに、売却の必要性や本人の生活状況、売却の条件など、家庭裁判所がさまざまな要素を総合的に考慮し、売却が適切かどうかを判断します。
また、売却後の代金の管理方法や利用方法も審査の対象です。
裁判所の許可が得られれば、そのまま売却を進められます。

非居住用不動産の場合

成年後見人が本人の非居住用不動産を売却する場合は、家庭裁判所の許可は不要です。
これは、本人が居住するわけではないことから、保護する必要がないためです。
したがって、非居住用不動産は、通常の不動産売却の流れと同様に、買主が見つかったら売買契約を結べます。
ただし、非居住用不動産の場合も、売却には正当な理由が必要です。

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まとめ

成年後見制度には2種類あり、任意後見制度は、本人の判断能力が低下する前に自分で選んだ後見人と任意後見契約を結ぶことで、意思を反映させることができます。
法定後見制度は、家庭裁判所が後見開始の審判と成年後見人の選任をおこなうため、利用する場合は親族などによる申立てが必要です。
また、成年後見人が、本人の居住用不動産を売却する際には、家庭裁判所の許可を得る必要があることも覚えておきましょう。
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